思わぬ価値が生まれるとき。

普通の人から見ればあまり価値のないものだが、特定の層には非常に大きな需要がある。そんな品物は、結構多くあるものだ。

もちろん、コレクターが集めているようなものはその代表であるし、もっと実用的なものでそうした特徴を持っているものもある。

その一つが、古い年度の赤本(大学入学試験の過去問題集)である。

僕は受験生の時、新品の赤本を購入して第一志望の大学の勉強に励んだ。

一日に一年分、しっかり時間も計って解く、そう決めて頑張っていた。

しかし、決意から一週間後、僕は驚愕の事実に気付く。

僕の志望校の今年度の赤本は、七年前の過去問しか載せていなかったのである。

困った僕は、さまざまな古書店を回り、七年前に刊行された赤本を探した。

しかし、どの書店にも、そんな古本は置いていなかった…。



誇張が半分以上の話ではあるが(本来は、買った日に、七年前までしかないのか…残念だ、と思った程度の話)、この時、僕にとって古い年度の赤本は、喉から手が出るほど欲しい品物だったのである。

古本に値崩れはつきものだが、当時の切羽つまった状況の僕であれば、定価、あるいはそれ以上の値段でその古本を購入していたかもしれない。これは決して誇張ではない。



こうした、年数を経ることで意外な価値がつけられる品物といいうものは、探せばもっとたくさんあるはずだ。



そんなものをすくい取って、人のためにもその品物のためにもなるような仲介ができる、そんな風な仕事に就けたらなあ、と、ふと思った。

そんな、今日この頃。